内装仕上げ工事会社の協力会で、代表の小野が登壇いたしました。
先日、建築会社大手のトップライズ株式会社が共催する「2022年安全衛生・環境大会」が開催されました。
大勢の参加者が会場に集まる中、式辞はライズクラブ東京会長、弊社社長の小野が務めました。
メジャーリーグで活躍をしているエンゼルスの大谷翔平選手のエピソードから話を始め、建築現場での安全意識の内容へと話を発展させました。この式辞に込められた意味や想いについて伺ってきました。
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【内装仕上げ工事会社の安全大会】
大谷選手の野球以外のある行動がアメリカで賞賛を受けた
そもそも、安全衛生・環境大会とは。
安全衛生・環境大会とは、建築現場の安全性を高めて、労働者を危険から守ることを目的にした式典のことです。建築会社が主催者になることが多く、関連会社を集めて開催をしています。
今回はコロナ禍になって2年連続で中止をしていた式典が復活したということもあり、会場には多くの人が集まりました。
まずはその内容をご覧ください。
【内装仕上げ工事会社の安全大会】
小野社長の式辞
小野:「本日はエンゼルスの大谷翔平選手の話をさせてください。彼はある試合の打席で、フォアボールを選び、一塁へと向かう途中にゴミが落ちているのに気づき、サッと拾いあげてポケットに入れ、そのまま平然と一塁に向かっていきました。
このゴミを拾う行為が子ども達の模範となる行動として、現地のアメリカで賞賛されたのです。こうした行動は日頃の行いとして身に着けているからこそできることなのでしょう。日頃からゴミを拾うという意識を持ち、実行することを繰り返していなければ、ゴミが落ちていても拾うことなく通り過ぎてしまうと思います。
例えば、建築の現場でゴミが落ちている。誰かが拾ってくれるだろう……誰かが片づけてくれるだろう……。そのような状況になるとは限りませんが、そうした状況を日頃から意識していなければ、簡単に出来る行動ではありません。意識することによって、今ではエンゼルスのチームメイトも皆、真似をしているようです。
我々もより良い現場環境を作るために、こうした行動を日頃から身に着けていればできることではないのでしょうか? まずは1日1つを目標に、良いことを自然に出来るようにしていきたいものです。
ここにいるトップライズの作業員の皆さんも、他の作業員の模範となる行動を意識して、これからも安全作業に取り組んで頂きたいと思います。よろしくお願い致します!」
(式辞より抜粋)
【内装仕上げ工事会社の安全大会】
伝えたかったことは「模範を示す事の大切さ」
式辞に込めた想いを社長に直接聞いてみました。
小野大谷選手は日本を代表する有名人。誰もが注目するその彼が日常的にやっていることを紹介することで“皆に模範を示すことが大事”ということを伝えたくてあのスピーチを考えました。
大谷選手の話は、ゴミを拾うという模範となるべき行動が、日常化しているところが凄いんです。小さな行動かもしれませんが、周りに良い影響を与えていったわけです。それは特別な話ではなくて、建築の現場も同じ。自分の行動が誰かに影響を与えるということを意識して欲しいと思っています。
小野さんも日頃から現場を見に行かれるのですか?
小野:もちろん。私も日頃、現場を周っていますので仕事の進捗状況の確認のほかに、危険な場所はないか、安全管理はできているかなどは意識して見ています。
自分の持ち場をキレイに整理整頓しておくことは「いい仕事」の基本です。
新人にはそういったことを指導することもあります。
また、安全に関しては、パトロールしながら確認していますが、何より一人ひとりが心掛けていることが大事なのです。
毎日仕事をしていたら、どうしても気が緩んでしまうという気持ちはわかります。例えば、現場に寝不足の状態でやってきたり、昨日の晩にお酒を沢山飲んだり……
それらは本人に返ってきてしまうことですから。
そして、それも周りに影響を与えてしまう。それなら悪い影響ではなく、良い影響を与えた方がいいですよね!
そんなことをあの場で伝えたかったので、スポーツ選手の話を例えに使わせていただきました。
【内装仕上げ工事会社の安全大会】
精度の高い仕事で、WIN-WINを目指す
トップライズ株式会社は年商150億円を超える建築会社で、関連会社も全国に数多く存在しています。
小野:私が会長になったのは4~5年くらい前かな。それまでは副会長を10年くらいやっていたんですよ。私としては皆の前で話をするのが苦手で…(笑)。
今回も非常に緊張していました…(笑)。
ライズクラブはどういう活動をしているのでしょうか?
小野:協議会が毎月開催されて、安全衛生や今後の方針について話し合っています。必要なことをまとめて、トップライズ株式会社さんに伝えていますね。
組織といっても、ベースは会社同士のお付き合いなので、お互いに売り上げを生み出して、WIN-WINになることは重視しています。どちらか一方に偏った提案だと長続きしませから。だから場合によっては、私が嫌われ役になって言いにくいことを伝えたりしないといけないこともありますよ。
看板は皆で背負っているものなので、その質や品格を落とさないように。それが役割ですね。
【内装仕上げ工事会社の安全大会】
研修期間に力を入れて若手をしっかりと育てる
小野内装では、高校を卒業したばかりの人に対しても就職対象者としてリクルートをしています。
今回は大谷選手の話でしたが、自社の若者にはどう成長してほしいのかも、聞いてみました。
小野:やっぱり、一人前といわれるような立派な職人さんに育ってもらいたいですね。この業界で食べていくのであれば、まずは一人前になって、その後は自分に合った働き方を見つければいいと思います。独立も含めて。自分だけの一番を目指していかないとね。
例えば、ウチの会社で育ってくれた人が独立をして、周りから“小野内装から来た人は凄いよね”と言われたら、やっぱり嬉しいんですよ。そう言われるように、こっちも日頃から責任を持って接していますので。
しかし、私が職人を始めた時代と、今の時代は違いますからね。この違いをちゃんと意識しておくことが大切なのだと思います。
昔の職人には昔の良さが、今の職人には今の良さがあります。」
自分が育ったやり方をそのまま後世に伝えようとする人もいますが、時代に目を向けた接し方が必要ということですか。
小野:それよりも、言葉で伝えるということが大事なのだと思います。
「あれやっておいてくれ」というのと、「○○を、何時頃までに、○○しておいてほしい」
これ、同じ”指示”でも、受け取られ方が全く違いますよね。
ここで手抜きをすると、間違って認識してしまってミスが起きたり、そうして起こられたらイヤになってしまう。この場合、原因は…どこにあると思いますか?
相手の立場に立った、伝わりやすいコミュニケーションは、決してラクではないでしょう。頭を使います。でも、忙しくても、これが指導においても大事なのだと思います。
逆も然りです。
いつも、若い人たちには「わかるまで聞きなさい」と言っていますが、きちんと理解できるまで聞くことです。
まあ、そういう訳ですが、人材育成に関しては日々、試行錯誤の連続ですよ(笑)
小野内装では、就職後に研修制度を設けていると伺っていますが?
小野:今は新卒の方向けに、入社後に研修期間を設けています。そこで仕事の基礎をしっかりと学ぶことができます。最初は建築材料の名前を覚えるとか、そういう所から始まるので、現場で学べる部分ではありますが、研修制度を設けることで、安心して現場に出てもらおうと考えています。
小野内装で共に働いてくれる仲間に、伝えたいことは山ほどあるので。もしそうなれば、今回の大谷選手のゴミ拾いのエピソードのように、いろんな例を出して、職人の意識についても伝えていきたいですね。
今からネタを集めておきます(笑)